株主代表訴訟との違い

株主代表訴訟とは?

株主代表訴訟とは、取締役・監査役等の会社の役員等が会社に損害を生じさせた場合等に、その責任を追及する訴訟を、会社に代わって株主が行うことをいいます(会社法第847条第3項,第5項)。これは、本来会社自身が責任を追及すべきところ、実際に訴訟を担当する役員等が、同僚意識からこれを躊躇するおそれがあるという理由で認められています。このように、株主代表訴訟は、会社による責任追及を株主が代わりに行うものなので、訴訟を行うのは株主でも、賠償金は、株主ではなく、会社が受領することになります。ところで、役員等の違法な行為により会社の価値が毀損し、株価が下落したことにより株主に生じた損害については、株主が損害を被ったのであるから、株主に直接賠償金を支払うよう請求できるようにも思われます。しかし、このような損害は、株主代表訴訟により会社が賠償金の支払いを受けることで回復すべきである等の理由から、株主が役員等に対して直接請求することは原則としてできないものとされています(裁判例参照)。

株主代表訴訟では取締役は会社に賠償することを求めるが、株主は直接請求できない

株主損害賠償請求訴訟とは?

これに対し、会社が粉飾決算をする等、虚偽記載等のある有価証券報告書等を提出したことが明らかになったために株価が下落し、株主が損害を被った場合には、金融商品取引法の規定や民法上の不法行為責任に基づき、株主が会社、役員等及び監査法人等に対し直接損害賠償請求をすることが認められています。本サイトでは、この株主による損害賠償請求訴訟を、株主代表訴訟と区別し、株主損害賠償請求訴訟といいます。
株主損害賠償請求訴訟の詳細については,基礎知識の他の項目(誰に請求するか、請求する損害額、その他の基礎知識)をご参照下さい。

株主損害賠償請求訴訟では株主は会社と取締役に直接請求できる